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残りの学生生活をどう過ごすか

残り半年になった学生生活の過ごし方について考えている

青色の本の表紙

学生最後の夏休みが終わる。それがめっちゃ悲しい。ひどい猛暑がだんだんと姿を消すこの頃、かわりに秋を連れてこようとする赤とんぼを、こんなに寂しい目で眺めるのは最初で最後だろう。そもそも「最後の夏休みをどう過ごすか」みたいなブログを書こうとしていたら、夏休みが終わってしまったのです。これからの半年もそういうふうに過ぎていってしまうなら、残りの学生生活をどう過ごすか。

先日、バイト先の人に「温泉旅館の売店が好き。遠く離れた静かな場所で、どこも似たあの売店を目にする嬉しさ、人生それだけでいい」と訴えながら、前にも似たような話をしたなと思い返してみると、「早風呂が好き。すべて終わらせて、風呂の小窓から暮れていく日の明かりを眺められたら、人生それだけでいい」だった。たしかに、どちらも僕が自由を感じる瞬間ではある。自分で言っておいてなんだけど、それだけでいいわけがないでしょう。

ずっと向こうのその先に
きっと自由があるのにねぇ、そのせいだよ。

スーパーカー - cream soda

読書

まず、ここ最近どう過ごしているのかというと、本を読んでいる。夏休みも本を読んでいた。時間があればあるだけ、読書に時間を当てている。

残りの学生生活も、読書がベースになるのは間違いなさそうだ。今のうちに、読みたい本を読めるだけ読んでおきたい。出不精としての仕方のない結果でありながら、計画とも言える。多くのおじさんたちが「社会人になると読めなくなる本がある」と言っていたけど、丸一日なにもない日に、朝食を食べながら読み始めた本を暗くなる頃に読み終えたとき、たしかに実感する。これがバイトがあっただけでダメなんですよね。朝から15:00くらいまで働いただけで、帰ってからずっと眠たくて進まない。マルクスもウィトゲンシュタインも、こんなにかじりついて読めるのは今しかないんだろうな。今の自分の見ている世界よりうんと広くて、忍耐強くついていかなきゃならない本がある。よくわからん、でもわかりたいから、時間をかけまくるのだ。

少し前に、このスタイルの読書の効用を知る機会があった。いまの専門学校に入学する前の高校卒業後2年間のこと。多くの日をぐったり沈んで無為に過ごすなかで、比較的調子のいい日には本を読んだ。このとき読んだ鈴木健『なめらかな社会とその敵』に強い影響を受けた。「プログラミングでなにかがやりたいな」と思ったきっかけはたしかにこの本で、今でも変わらず僕の燃料になっている。昨年、この本をきっかけに、プログラミングを通じて、わずかながら著者の鈴木さんと関われる機会があった。これが全然成功体験とは言えないのだけど、嬉しくてちゃんと高ぶりました。あのときのどうしようもない毎日がちゃんといまに繋がっていたぞ、っていう。

いまの読書が、未来の自分に楽しいことを与えてやれたなら、それは素敵なことだと思う。いまけっこう楽しいし、未来も楽しい気がする。

学ぶ

来年からソフトウェアエンジニアとして就職する。

この業界、ことWebにおいては、勉強し、技術力向上を目指し続けるカルチャーがある。まだ学生の僕が「ある」と言い切るのは、同じ学生の間にそれと同じものがあるからである。僕のいる専門学校内でそれが醸成されているかは定かではないけど、少なくとも一部の優秀な学生はその文化圏にいて、メガベンチャーや有名テック企業のインターンにいくつも参加している。そういうインターンはそもそも比較的高レベルな技術が求められていて、ひとたび参加すれば、モダンな言語・フレームワークを使いこなし、低レイヤーを履修していて、「趣味はOSSコントリビュートです」なエンジニアが無数にいるに違いない。いや、僕は参加し得ないから知らないんだけど。とにかく、彼らはすごく長い時間技術に向き合っている。

僕は、彼らの真似をするのはちょっと難しいなと思う。僕もそれなりにインターンに参加したし、ハッカソンで優勝できたこともあった。それでも、彼らには敵わない。彼らと同じように大洋の奥深くまでも潜る気概や装備がない。息が続かなくなって、浅瀬にもどってスイスイ平泳ぎで遊泳(一応、バタフライの練習をしたりするんですよ)したあとに、しまいには岸に上がって下手なギターを弾き始めてしまいそう。

幸いにも、僕はプログラミングが楽しいと思っている。遠い沖へ行きたいとも思う。興味がある技術は誰に言われなくとも手をつけているくらいにはこの世界に向いていそうだし、楽しくやっていくつもりでいる。ということを、海風で錆びた弦を爪弾きながら考える。

やったほうがよさそうな技術は無数にある。肝心なのは取捨選択だ。僕は長期的なキャリアパスはなく、きまぐれにやっていきたいと思っている。それならば、フレームワークやライブラリを広く勉強するよりは、いまは低レイヤーをやったほうがのちのち生きるだろうなと思って、残りの学生生活はネットワークをちゃんと学ぶつもりでいる。

他にも、ピアノが弾けるようになってみたい、ギターをもうちょっとまともに弾けるようになりたい。音楽がわかるようになりたい。図書館をつかって基礎から学んでみようと思う。あと、卒業旅行でアメリカに行く予定なので、英語を勉強し始めた。

貯金

残りの学生生活で100万円ほどの出費がある。卒業旅行と、東京で1人暮らしするための初期費用がいる。給料全部使う主義を貫いていたので、いまの口座残高は5万円くらいです。途方もないなぁ。そのあと奨学金を返していくことを考えると、しばらくかつかつの生活が続きそう。

遊ぶ

それでも遊ぶのはたのしい。映画を見まくって夜を明かしたい。だれかと話したい。お金ないので、涼しくなってきたら、コンビニでなんか買って公園とかで話すやつやりたいです。

開発

かなしいかな、ふつうにアルバイトをするだけじゃ全然貯められないので、飛び道具だって考えなければ。お金になりそうなアプリケーションを書いてみるのがいいかもしれない。今の技術で作れるアプリを作るんじゃない。今やってみたいビジネスを作るアプリを作る。けっきょく、今はとにかく時間に価値があって、僕はそれを一番に認めているんだから、貯金しながらもよりおもしろいことをするべきだと思う。通ったことない道を歩くのにも、自分とは違う世界に出会うのにも、余裕がいる。今は時間がある。技術の研鑽にも価値があるけど、それ以上に、人と、社会とへんなつながりを持つことができたらそれ以上のおもしろさはないと思う。うまくいかなければ草を食って生きていこう。

というのはいま、近所の喫茶店で、閉店間際まで頼めるモーニングの小倉トーストを食べながら考えた話でして、映画館のバイトは引き続き頑張るし、フロントエンドを書くバイトがあったらぜひ教えてください!

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